陰陽五行説 - 「すいな」テキスト No. 003
2019/10/14
2)陰陽学説
宇宙間のあらゆる事物は、すべて陰と陽の相互に対立する2つの面を含んでいる、と定義し医療に応用しています。
中医学では人体に対して、推動、温絇作用をもつ氣を「陽」とし、人体に対して栄養・滋潤作用をもつ氣を「陰」と称しています。
例: 陽 - 上・天・日・昼・晴・日・熱・動・昇・外・明・・・・・
陰 - 下・地・月・夜・曇・水・寒・静・降・内・暗・・・・・
陰陽は絶対的なものではなく相対的なものであり、陰は陽に転化し陽は陰に転化することができるとしています。
上は陽で下は陰であるが、上がなければ下は存在せず、また下がなければ上がない、
熱は陽で寒は陰であるが、熱がなければ寒もなく、寒がなければ熱もないと考えています。
この陰陽の依存関係を人体の臓腑組織の構造と機能との関係で、肝臓、心臓などの五臓は陰、胃や腸などの腑は陽と定義して互いに依存しあう関係としています。
肝 - 胆 心 - 小腸 脾 - 胃 肺 - 大腸 腎 - 膀胱
陰陽のどちらも他の一方を牽制し制約する作用と力を持ち、相手と自身を常に動態的バランスのとれた上体にしています。
陰は陽の亢進を制約し、陽は陰の行き過ぎを制約し、陰陽のかたよった盛衰を矯正しています。
人体はひとつの有機的な統一体であり、陰陽が互いの行き過ぎを制約し、動態的なバランスのとれた状態が健康状態ということです。
病理変化への応用
疾病は陰陽の相対的バランスが失調した結果として発生すると考えています。
疾病の発生と発展には、正気(しょうき)と邪気(じゃき)が関係しているとしています。
正気とは人体の構造と機能を指し、邪気とは各種の疾病を引き起こす因子のことです。
この陰陽のバランスを四診(ししん)に応用します。
色つや、話し声、口数、手足の動き、熱、寒がる、飲み物、皮膚や脈など
3)五行学説(ごぎょうがくせつ)
五行とは 木(もく)、火(か)、土(ど)、金(ごん)、水(すい)という五種類の物質を異なる性質、作用、形態のことです。
相互に生み出し - 相生(そうせい)、相互に制約する - 相克(そうこく)という関係があります。
それぞれ次のような特徴を持っています。
木・・・ 曲直 - 条達、伸びやか
火・・・ 炎上 - 温熱、上昇
土・・・ 稼ショク - 生化、受納
金・・・ 従革 - 粛清、変革、収斂
水・・・ 潤下 - 寒涼、滋潤、下行
○ 五行相生の順序 - 相互産生・相互助長
木生火、 火生土、 土生金、 金生水、 水生木、
(もくせいか) (かせいど) (どせいきん)(きんせいすい) (すいせいもく)
これを母子関係として説明している
○ 五行相克の順序 - 相互制約、相互抑制
木克土、 土克水、 水克火、 火克金、 金克木
(もっこくど) (どこくすい) (すいこくか) (かこくきん)(きんこくもく)
五行学説の運用
五臓系統の生理機能(~系統と記すのはその臓器に関る器官を指すため)
肝臓系統(木) 疏泄、昇発 : 肝 - 胆
心臓系統(火) 温煦作用 : 心 - 小腸
脾臓系統(土) 生化の源 : 脾 - 胃
肺臓系統(金) 静粛、収斂 : 肺 - 大腸
腎臓系統(水) 水を主る : 腎 - 膀胱
五臓の相生の関係
腎(水)の精は肝を養い
肝(木)の蔵する血は心を助け、
心(火)の熱は脾を温め、
脾(土)が化生する水穀の精微は肺を満たし
肺(金)の粛降作用により腎を助ける
五臓の相克の関係
肺(金)の氣は下降して肝陽を抑制し、
肝(木)は条達により脾氣の疏泄を行い
脾(土)は運化により腎水を制御し、
腎(水)は潤す作用により心火の亢進を防止
心(火)は陽熱により肺金の粛降を制約
中医学では五行学説を運用して、五臓系統の生理機能および相互関係を解釈して、人体と内外環境との相互連絡・相互制約という全体性と統一性を説明しています。
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